NOTE

中庭が心の豊かさを育む
2020.3.15

心理的に広い?狭い?

中庭のある暮らしって良いですよね。部屋の外なのに中のように感じる不思議な感覚。同じ部屋の大きさでも中庭があるかないかで全く感じ方は違います。ウッドデッキのようにそのまま歩いて出られるかという点でもまた感じ方が全然違うかもしれません。

道路に面した庭はどうでしょうか?道路との境目のしつらえによってまた変わります。塀によって周りの視界をうまく遮れていると出やすかったり、スカスカの視覚の通るタイプだと、このままの格好じゃ出られないなぁと少し遠慮してしまって出づらくなるかもしれません。そういう場合に中庭ってすごく有効です。心理的な安心感が大きいんですよね。

家族の時間の大切さ

中庭があるとまだ小さい子どもが安心して走り回れたり、共働きのお父さん・お母さんにとっては仕事で疲れて帰ってきて誰とも会わずに家族でゆっくり過ごしたい時に中庭で時間を楽しめたりもしますよね。そうすると季節の移ろいも心が穏やかな状態で感じることができたり。こういう一見当たり前やん!って思えることが住まいにとって1番大切じゃないかなって思ったりします。

中庭って実際作れるのか?

ここで生まれる疑問は、中庭ってそんなに簡単にできるのか?っていう問題です。やはりある程度敷地の大きさが必要になってきます。30坪〜40坪の広さだと建ぺい率60%の地域では、車二台分を確保して、ポーチを確保すると割と窮屈で、仮に家族4人で暮らすとしても、間取りの大きさをうまく工夫してあげて中庭を作るということになります。坪庭のような1坪〜1.5坪ほどの大きさならまだしも、思い描くサイズの中庭って難しい。

駐車場を設けない場合はどうでしょう?徒歩圏内に最寄りの駅があって交通の利便性が良い場所。そうすると、道路がある程度広い場所だと土地も高くなるので、家と土地にかける費用のバランスが悪くなります。ただ、道路が狭かったり、変形敷地だと安かったりするので、その辺りは土地の大きさを確保しつつ、建物にもきちんと費用をかけられるので、アリですね。こういう場所は周囲の状況も割と住宅密度が高い場所も多いので、中庭を考えることがかなり重要だったりします。

郊外の方を考えてみてはどうか?

郊外に行くと、車が必須になりますよね。僕も車が必須な人間。やはり駐車場は確保したい、そんな気持ちはよくわかります笑 少し自然の多い方へ行くことがおすすめです。ただ、町にも少し近いような場所。市街化調整区域も多くなるので、探索は必要ですが、土地の費用はかなり抑えられます。豊かな風景が得られやすくなります。もしかしたら中庭がなくても周りの土地が庭に思えるようなそんな場所もあるかもしれませんよね。

こういう場所で多いのは、集落のような家々が群をなすような場所。そういった地域は、コミュニティが色濃いので人と人との距離も近いため、自分たちの場所を確保するために中庭のような計画をするのがおすすめかもしれません。ただ、周りと閉鎖的にしすぎてしまうと、このような地域特有の村意識があったりもするので、配慮が必要です。この点をクリアするととても安心で子育てがしやすい、のびのびと暮らすことができる住まいが作れるのではないかなぁと思います。

今回は中庭に焦点を当てて書いてみました。中庭が絶対に大切!って訳でもないのですが、日本のような密集地が多い場所では住まわれる人にとって有効にはたらくように思うんですよね。そこで過ごす外と繋がる時間は、人として大切な心を育んでくれるそんな場所だなぁと僕は考えています。

••••••••
八木健吾建築設計事務所は兵庫県加古川市を拠点とした設計事務所です。自然と人との関係を優しくデザインし、ワクワクできるような空間づくりを大切にしています。