自分らしい暮らしをカタチにする場所
場所は兵庫県高砂市。駅と住宅街、店舗が並ぶ環境の中に、このデイサービスはあります。従来のデイサービスとは違い、器械体操を主とはせず、日常にある家具や設えを生かしながら、身体を動かし、自分たちらしい暮らし方へ繋いでいくか、そんな場所の整備をオーナー様と一緒に伴走させていただきました。
タタミのプラットフォーム
利用者さんのテーブル席、スタッフさんの事務テーブル、そして身体を動かすためのタタミコーナー(プラットフォーム)をつくりました。
プラットフォームは、座りやすい高さ40cmで計画。構造となるフレームは、質感の柔らかい上小節のスギ材を用い、角は削り上げて不意に当たってもケガをしないように配慮しました。タタミは目積により立っても防滑性を持たせ、クッション材を下部に仕込むことで、身体への衝撃にも配慮しました。完成してからも、アフターフォローを何度も行いながら、利用者さんからも大変評判が良いというお声をいただいています。
皆の関係性をフラットにする
スタッフさんと利用者さんの関係性を、心理的にもフラットにする計画を行いました。日常的に座るテーブルは、スタッフさんの事務テーブルと同じ色合いかつ素材とし、親しみやすさを構築しやすいように配慮しました。そうすることで、より心の中を出しやすく、利用者さんの本音であったり、想いを出しやすい環境に寄与すると私たちは考えました。
柔らかく受け止める環境
利用者さんの声で多いのは、とても落ち着くし、温かいという声です。温かいというのはホッとするような感覚。壁の色味は少し黄色味の入った色合いとし、床はカーペットで、芝生のような色味と木目で計画しました。日常にある、昔の民家や公園といった自然の中にある色合いを抽出し、インテリアとして落とし込んでいます。そうすることで、中にいながらも、体験のある感覚を潜在的に呼び起こし、それが懐かしさと落ち着き、安心感を創出しています。
場所:兵庫県高砂市神爪
用途:デイサービス
規模:鉄筋コンクリート造3階建(内1階)
延べ面積:71.22㎡
施工会社:株式会社高橋建設
家具:CALL SPACE DESIGN/八木建具
畳プラットフォーム:井上津奈夫/播磨内装畳内装工房 大亀 亨
造作照明:キクズノヒト
写真:KOYA WORKS/久保 佳正
コメントをお書きください